東京高等裁判所 平成12年(行コ)154号 判決
主文
原判決を次のとおり変更する。
一 控訴人が、被控訴人に対し、平成八年一一月二六日付け会第二〇五号でなした別紙文書目録一記載の文書を開示しないとの処分のうち、別紙非開示情報目録(控訴審)一記載の情報を開示しないとする部分を除くその余の部分を取り消す。
二 控訴人が、被控訴人に対し、平成八年一一月二六日付け会第二〇六号でなした別紙文書目録二記載の文書を開示しないとの処分のうち、別紙非開示情報目録(控訴審)二記載の情報を開示しないとする部分を除くその余の部分を取り消す。
三 被控訴人のその余の請求を棄却する。
四 訴訟費用は、第一、二審を通じてこれを二分し、その一を控訴人の負担とし、その余を被控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一控訴の趣旨
一 主位的控訴の趣旨
1 原判決中の控訴人敗訴部分を取り消す。
2 本件訴えをいずれも却下する。
3 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 予備的控訴の趣旨
1 原判決中の控訴人敗訴部分を取り消す。
2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
第二事案の概要
事案の概要は、次のとおり付加訂正するほか、原判決「事実及び理由」の「第二 事案の概要」記載のとおりであるから、これを引用する。
1 原判決三頁一〇行目冒頭から同四頁二行目末尾までを「本件は、被控訴人が、控訴人に対し、静岡県公文書の開示に関する条例(別紙『静岡県公文書の開示に関する条例』参照。以下『本件条例』という。)に基づき、静岡県議会議員、静岡県議会事務局の平成七年度の旅費、食糧費、使用料及び賃借料の支出に関する一切の資料並びに静岡県警察本部警務部総務課の右同様の資料の開示を求めたところ、控訴人が、右開示請求に係る公文書を、平成七年度静岡県議会議員及び同事務局の旅費、食糧費、使用料及び賃借料の支出に関する支出票並びに請求書(以下『議会文書』という。)及び同年度静岡県警察本部警務部総務課の旅費、食糧費、使用料及び賃借料の支出に関する支出票並びに請求書(以下『警察文書』といい、議会文書と併せて『本件文書』という。)と特定した上、平成八年一一月二六日付けで、本件文書をいずれも非開示とする旨の各処分(以下『本件処分』という。)をしたので、被控訴人が、本件処分の取消を求めた事案である。
控訴人は、主位的に、本件文書を管理していないとして訴えの却下を求め、予備的に、本件文書が特定の個人が識別し得る情報(本件条例九条二号)、開示することにより法人等の事業運営上の地位その他社会的地位が損なわれる情報(本件条例九条三号)及び開示することにより県政の円滑な運営に著しい支障を生ずるおそれ等がある情報(本件条例九条八号)に当たり、また、警察文書については、開示することにより人の生命、身体等の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他公共の安全と秩序維持に支障が生ずるおそれがある情報(本件条例九条四号)にも当たり、いずれも非開示にすべきものである旨主張し、請求の棄却を求めた。
原判決は、本件文書のうち食糧費の支出票、同内訳書及び請求書並びに使用料及び賃借料の支出票、支出票内訳書(議会文書のみ)及び請求書に記録されている『債主の振込先銀行名、同支店名、預金口座の種別、口座番号』を除き、本件文書を開示すべきであると判断し、本件処分のうち右文書を非開示とした部分を取り消したので、控訴人が控訴をした。」に訂正する。
2 原判決五頁六行目の「別紙文書目録一記載の文書(以下『議会文書』という。)」を「議会文書」に訂正する。
3 原判決一二頁二行目の「別紙文書目録二記載の文書(以下『警察文書』という。)」を「警察文書」に訂正する。
4 原判決二五頁五行目末尾の次に改行して、次のとおり加える。
「 実施機関が管理している公文書が『実施機関において直接の支配下に置いている公文書』を意味することは、以下の事実から明らかである。
(一) 本件条例は、控訴人の事務であっても市町村の職員に補助執行させた事務に係る文書は、本件条例二条二項の公文書に該当せず、一方、国の機関委任事務であっても控訴人が執行した事務に係る文書は、同項の公文書に該当するとしているのであって(乙一)、本件条例が法的保管権限の帰属によってではなく、現実の保管・保存状況によって『管理』の有無を決しようとしていることは明らかである。
(二) 本件条例二条二項は、開示請求の対象となる公文書の範囲を明らかにするだけではなく、開示請求の相手方たる実施機関がいずれの機関であるかも明らかにするために設けられた定義規定であるところ、特定の公文書については複数の機関が法的保管権限を有するから、『管理』の意義を法的保管権限の帰属の趣旨で規定してしまうと、開示請求の相手方たる機関が特定しないことになる。それゆえ、本件条例二条二項は、『管理』について、法的権限の有無等を前提とした文言を用いず、単に『実施機関が管理しているもの』と規定して、『管理』が現実の保管・保存状況を示す趣旨であることを明らかにしている。
(三) 法的保管権限があれば『管理』しているといえるとすれば、控訴人は、県のすべての公文書について法的保管権限を有しているから、控訴人以外の機関を実施機関と位置づける必要はない。しかるに、本件条例は、控訴人以外の機関も限定的に実施機関として位置づけているのであって、このことからしても、『管理』が法的保管権限ではなく、現実の保管・保存を指していることは明らかである。
(四) 本件条例は、実施機関が当該公文書を直接の支配下に置いていなければ、開示請求文書の特定及び開示可否の実態的判断が困難であり、開示可否の判断が的確、迅速にできないことから、『実施機関が管理しているもの』と規定したものであり、『管理』が法的保管権限ではなく、現実の保管・保存を指していることは明らかである。
(五) 控訴人が予算調整権及び予算執行権を専属的に有し、不当又は違法な予算の執行について住民監査請求又は住民訴訟によって法的責任を問われる立場にあることは、『管理』が法的保管権限を意味することの根拠とならない。すなわち、議会及び行政委員会は、控訴人から独立した機関として活動し、事務の必要に応じ、その裁量により旅費及び食糧費等を支出しているのであり、控訴人は、その執行について意見を差し挟むべきものではない。そのため、議会及び行政委員会については、その職員が、予算の執行に関し控訴人の補助執行をすることとして議会及び行政委員会の自主性を確保している。さらに、控訴人が予算調整権及び予算執行権を専属的に有すことと、予算の調整・執行後においてその関係文書をどの機関が保管・保存するかは別個のことであり、現に、地方自治法一四九条八号の解釈においても、予算執行に関する文書をそれぞれの機関が保管できると解されているのであり(なお、静岡県財務規則一九二条は公文書の保存についてはこれを静岡県の公文書『保存』の一般的取扱いに委ねる趣旨であり、『保存』を控訴人等に義務づけているものではない。)、また、知事部局以外の機関の予算執行は、これら各機関の職員が控訴人の補助執行として専決によりなされているところ、右職員自身が住民監査請求又は住民訴訟によって法的責任を問われる立場にあるのである。」
5 原判決二六頁一一行目末尾に続けて、次のとおり加える。
「すなわち、控訴人は、予算執行後も、予算執行権者として支出の誤りの有無の点検、財産の記録管理、決算の調整等に備える必要性があることを初め、不当又は違法な予算の執行について住民監査請求又は住民訴訟において法的責任を問われる立場にあることを考慮すれば、予算の執行に関連して作成又は取得した本件文書を保管・管理し、必要に応じて参照できるようにしておくことが必要である。そこで、地方自治法一四九条八号は、地方公共団体の長の事務として公文書類を保管することを規定し、また、静岡県財務規則一九二条及び『静岡県財務規則の施行について』(昭和三九年四月一日財第六一号、会第二四一号総務部長、出納事務局長通達。甲二六)の第41・2により、控訴人が支出票等を保存することを義務づけているのである。なお、控訴人は、『管理』が法的保管権限ではなく、現実の保管・保存を指す旨主張するが、以下のとおり、理由がない。
(一) 控訴人は、控訴人の事務を市町村の職員に補助執行させた場合の例を挙げるが、知事の専属事項である予算執行に係る事務を市町村の職員に補助執行させることなどあり得ないから、この点での控訴人の主張は失当である。
(二) 控訴人は、控訴人以外の機関の公文書管理の可能性について述べるが、本件は、議会文書及び警察文書の文書管理について争いがあるのであり、静岡県財務規則及び『静岡県財務規則の施行について』により控訴人の管理義務が明示されているから、公文書管理の一般論を論ずるまでもない。
(三) 控訴人は、控訴人が県のすべての公文書について法的保管権限を有しているから、控訴人以外の機関を実施機関と位置づける必要はない旨主張するが、知事以外の機関は、予算執行文書を除く自らの独自の事務に関する文書について、開示の適否を判断する権限を行使する必要があるから、控訴人の主張は誤りである。
(四) 控訴人は、実施機関が当該公文書を直接の支配下に置いていなければ、開示可否の判断が的確、迅速にできない旨主張するが、本件で問題となるのは予算の執行文書であり、これらについての開示関係作業に携わるのは併任又は補助執行者として当該文書を作成し、その内容を熟知している控訴人の職員又はその後任者であるから、何ら支障は生じない。
(五) 控訴人は、議会及び行政委員会が、控訴人から独立した機関として活動し、その裁量により旅費及び食糧費等を支出しているから、控訴人において、その執行について意見を差し挟むべきものではない旨主張するが、これでは、控訴人の本来の予算調整及び執行権を法律上の形式的なものにすぎないとするものであり、地方自治法の趣旨、原則に反する。」
6 原判決二八頁四行目末尾に続けて「そのような意味で、議会が自主的決定権限を有する旅費、食糧費等についての実質的予算執行権限は、議会が有するというべきところ、議会文書は、右のような予算執行に関する文書であり、その内容についての実質的決定権限、責任及び情報をコントロールする権限等は、議会にあるというべきである。」を加える。
7 原判決三一頁二行目末尾の次に改行して「控訴人は、旅費、食糧費等についての実質的予算執行権限は、議会が有する旨主張するが、右主張は、地方自治法で明記した首長の予算調整権限及び執行権を自ら放棄すると共に、本件条例で定められた実施機関としての責任を放棄するものであり、許されない主張である。」を加える。
8 原判決三二頁三行目末尾に続けて「すなわち、平成八年一一月に出された国の行政改革委員会行政情報公開部会による『情報公開法要綱案』及び行政機関の保有する情報の公開に関する法律は、いずれも『個人識別型』を採用しているところ、公務員の職務の遂行に係る情報については特に例外規定を設けて、これを開示することができるとしている。これに対し、本件条例は、そのような例外規定を設けていない。」を加える。
9 原判決三八頁三行目の「ものというべきである」を「ものというべきであり、従来から公表されてきた情報である」に訂正する。
10 原判決四五頁二行目の末尾の次に改行して「警察文書の内容は、前記第二、一3(二)のとおりであるが、これを主として『債主』欄につき必要な限度で詳述すると、以下のとおりである。
(一) 旅費に関する『支出票(兼支出負担行為)』の『債主』欄には、旅費代理受領者の郵便番号、債権者コード、住所、所属名、支払形態、銀行名、支店名、口座名義、預金口座の種別及び口座番号が記録され、代理受領者が複数ある場合は、県警察本部所属名と代理受領者数のみが記録される。
(二) 旅費に関する『支出票(兼支出負担行為)内訳書』の『債主』欄は、右(一)と同じである。
(三) 食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』の『債主』欄には、契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、銀行名、支店名、口座名義、預金口座の種別及び口座番号が記録されている。
(四) 食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)内訳書』の『債主』欄は、右(三)と同じである。
(五) 食糧費に関する『請求書』の『債主』欄には、請求者の住所、事業所名、代表者氏名、会社印(法人印)、代表者印が、『支払区分欄』には、銀行名、支店名、預金口座の種別及び口座番号が記録されている。
(六) 使用料及び賃借料に関する『支出票』の『債主』欄は、右(三)と同じであり、『請求書』の『債主』欄及び『支払区分欄』は右(五)と同じである。」を加える。
11 原判決四六頁九行目末尾に続けて「警察職員の特定に関する情報及び支払の相手方の特定に関する情報は、それが公開されると、公にされていない警察職員の氏名、受取人たる警察職員の取引金融機関名、口座番号が明らかになると共に、その担当事務が特定されることになり、その結果、警察の職員配置状況の一端が把握され、ひいては当該職員やその家族までもが調査され、プライバシーが侵害されたり、工作襲撃等の被害を受ける可能性も生じ、職員及びその家族が不安感を覚えざるを得ない事態に至る。また、受取人の取引金融機関名や口座番号のみを公開した場合であっても、警察組織又は職員に対し、反感を有する者から、右情報を利用した嫌がらせを受けるなどし、そのため、平穏な市民生活等に対する障害を除去する警察活動が阻害され又は効率的に行われなくなるおそれがある。さらに、警察文書の『時期情報』、『金額情報』、『執行場所情報』が明らかになった場合には、犯罪を企図する者などの手で、それらの情報を他の情報と関連づけた上で分析、総合するなどして捜査活動を遂行するため秘匿されなければならない情報を把握され得ることになり、警察組織・職員に対する攻撃、妨害、牽制等の行動が行われるなど、犯罪行為の発生を未然に防止する活動や捜査が阻害されたり効率的に行われなくなるおそれが存する。現実にも、警察職員の住所・氏名等が公になることにより、警察職員本人又はその家族が嫌がらせを受けるなどの事件が発生しているのである(乙三〇)。」を加える。
12 原判決四七頁九行目末尾の次に改行して「また、本件条例九条四号に規定する『支障が生ずるおそれ』とは、実施機関の単なる抽象的な危惧感の存在だけでは不十分であり、社会的危害が発生する客観的可能性があることを意味する。本件の警察文書は、直接犯罪の捜査、予防に関する業務を分担することが少ない静岡県警察本部警務部総務課の旅費、食糧費等に関する文書であり、これらの文書から事務担当職員の職、氏名が明らかになったとしても、当該警察職員やその家族に危害が加えられるおそれがあるとは考えにくく、また、これらの文書が開示されたからといって、具体的事件との関連性や捜査活動の具体的内容が明らかになるものではなく、犯罪の捜査が困難になるおそれがあるとはいえない。警察職員の職・氏名は、市販の職員録、新聞の人事異動記事により明らかにされている。」を加える。
第三当裁判所の判断
一 当裁判所は、被控訴人の請求のうち、控訴人が、被控訴人に対し、<1>平成八年一一月二六日付け会第二〇五号でなした別紙文書目録一記載の文書を開示しないとの処分のうち、別紙非開示情報目録(控訴審)一記載の情報を開示しないとする部分を除くその余の部分、<2>平成八年一一月二六日付け会第二〇六号でなした別紙文書目録二記載の文書を開示しないとの処分のうち、別紙非開示情報目録(控訴審)二記載の情報を開示しないとする部分を除くその余の部分の非開示処分の取消を求める請求は理由があるから認容すべきであり、その余は理由がないから棄却すべきであると判断する。その理由は、次のとおり加除訂正するほかは、原判決「事実及び理由」の「第三 争点に対する判断」記載のとおりであるからこれを引用する。
1 原判決五五頁九行目末尾の次に改行して「また、静岡県財務規則一九二条は、『知事若しくはかい長又は出納者は、調定票等、支出票等及び歳入歳出外現金受入調定票等並びに収入、支出及び歳入歳出外現金受払に関する添付書類を次に定めるところにより整理し、編さんし、及び保存しなければならない。』(柱書)とし、二号において支出票等につき、七号において支出票等の添付書類につき、それぞれ規定している(甲一七)。そして、『静岡県財務規則の施行通達の一部改正について』(平成九年四月一日付け財第七号、会第四号、総務部長、出納局長通達)は、静岡県財務規則一九二条一号から三号まで及び七号において整理し、編さんすることとされている書類の保存は、知事又はかい長が行うことと定めていることからして(甲一六)、静岡県においては、支出票等の保存は、知事である控訴人又はかい長が行うことになっていると解される。ところで、静岡県財務規則二条三号は、『かい』を『財務に関する事務を処理させるために別に指定する出先機関、学校、警察署等をいう。』と定義し、同条四号は『かい長』を『かいの長……をいう。』と規定しているから、出先機関ではなく本庁である静岡県議会及び静岡県警察本部には『かい長』が存在しないといわざるを得ない(甲一八。なお、控訴人は、前記『静岡県財務規則の施行通達の一部改正について』でいう『知事又はかい長』とは、出納機関以外の機関を意味する旨主張するが、前記通達が、その基となる静岡県財務規則において定義づけされている『かい長』の意味を、右定義と異なった意味で使用しているとは到底解されない。)。したがって、静岡県財務規則においても、本件文書は、知事が保存すべきものとされていると解される。ところで、現実には、平成九年四月一日付けの『支出票等の保存方法について』と題する会計課長の通知(甲二〇)及び同月三〇日付けの『支出票等の保存方法についての通知の訂正について』と題する会計課長の通知(甲二一)により、議会文書については静岡県議会事務局が、警察文書については静岡県警察本部警務部会計課がそれぞれ保管をしているが、これは、地方自治法及び静岡県財務規則の前記解釈からして、知事が静岡県議会事務局の職員を静岡県事務吏員として併任し、また、静岡県警察本部職員に補助させて(甲一九)、保管をさせていると認められる。」を加える。
2 原判決五八頁三行目の「しかしながら、」の次に「知事が保管すべき文書は、これが静岡県議会事務局又は静岡県警察本部警務部会計課が現実に保管していたような場合であっても、前記のとおり、静岡県事務吏員として併任され又は知事の補助者とされた職員が右文書を保管しているのが通常であると推認できるから、開示の許否等について多くの日数を費やすとは考え難い上、」を加え、同一〇行目から同一一行目にかけての「すぎないと解されるから」を「すぎない。当該公文書が、実施機関の職員において職務上作成し、又は取得した文書等であることからすれば、当然、『管理』も職務又は権限に基づくものであることが前提とされていると解されるのであって、『職務上』又は『権限に基づいて』等の語を用いずに単純に『管理』という語が使用されているからといって、直ちにこれが法的保管権限から切り離された事実状態としての『管理』を意味するということはできない。したがって」に訂正する。
3 原判決五九頁一行目冒頭から同二行目の「確かに」までを「<3>であるが、仮に」に、同六行目の「あると解されるが」を「あるとしても」にそれぞれ訂正し、同九行目末尾に続けて「控訴人は、控訴人の事務を市町村の職員に補助執行させた場合等の例を挙げて、現実の保管・保存状況によって『管理』の有無が決められる旨主張するが、右例は、当該公文書を、『実施機関の職員が職務上作成』したか否か等についての判断に係るものであり、『管理』が法的な意味での『管理』を含むか否かの判断とは無関係であるから、控訴人のこの点での主張は採用し得ない。次に、控訴人は、『管理』の意義を法的保管権限の帰属の趣旨で規定すると、複数の機関が『管理』をしていることになり、実施機関を特定できなくなる、又は、控訴人は、静岡県のすべての公文書について保管権限を有するから、その余の実施機関を設けた意味がなくなる旨主張する。しかし、特定の公文書について、開示の実施機関を一つに特定しなければならないとする根拠はなく、複数の機関を実施機関とすることも許されるというべきであり、また、情報開示手続の効率的運用等を考慮すると、知事以外の機関が現実に『管理』している公文書について、当該機関を実施機関として開示請求をする実益も十分存するから、この点での控訴人の主張は採用することができない。さらに、控訴人は、実施機関が当該公文書を直接の支配下に置いていなければ、開示請求文書の特定及び開示可否の実態的判断が困難であり、開示可否の判断が的確、迅速にできないことから、本件条例二条二項は、対象となる公文書を『実施機関が管理しているもの』と規定した旨主張するが、知事が保管すべき公文書については、当該公文書を静岡県議会事務局又は静岡県警察本部警務部会計課が現実に保管していたような場合であっても、前記のとおり、静岡県事務吏員として併任され又は知事の補助者とされた職員が右文書を保管しているのが通常であると推認できるから、開示の許否等を的確、迅速に決することができないとは必ずしもいえないのであって、この点での控訴人の主張も採用することができない。」を加える。
4 原判決六〇頁一行目末尾に続けて「なお、控訴人は、被控訴人から本件文書の開示請求がされ、さらに、右請求を棄却する旨の本件処分に対し、異議が出された後、前記会計課長の各通知を根拠として、急遽、議会文書を静岡県議会事務局に、警察文書を静岡県警察本部警務部会計課に引き渡し、その保管に任せたものであるとしても、そもそも控訴人としては、職責上、本件処分に対する異議等が決着するまで議会文書及び警察文書を自ら保管すべきものというべきであるから、本訴において、控訴人が、本件文書が現在控訴人の『管理』に属さないとして訴えの利益が存在しない旨主張することは、著しく信義に反するものであって、到底採用することができないといわざるを得ない。」を加える。
5 原判決六二頁九行目の「本件条例」から同六三頁二行目の「また、」までを削除する。
6 原判決六五頁二行目末尾に続けて「控訴人は、議会が自主的決定権限を有する旅費、食糧費等についての実質的予算執行権限は、議会が有するというべきところ、議会文書は、右のような予算執行に関する文書であり、その内容についての実質的決定権限、責任及び情報をコントロールする権限等は、議会にある旨主張するが、議会に旅費、食糧費等の支出を伴う活動をする決定権限があるとしても、その権限の故に、旅費、食糧費等についての実質的予算執行権限が議会に帰属するとはいえないものであり、控訴人は、予算執行権限者として、予算執行の当否等を調査し、判断する権限を有し、責任を負うものであり、議会の自主独立性を最大限に考慮しても、議会文書が本件条例九条八号に該当するとは解されない。したがって、この点での控訴人の主張は、採用することができない。」を加える。
7 原判決六五頁五行目冒頭から同七〇頁五行目末尾までを次のように訂正する。
「(二) 議会文書の本件条例九条二号該当性について
(1) 本件条例九条二号は、『個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人が識別され、又は識別され得るもの。』について、個人のプライバシーを保護する観点から、非開示とすることができる旨を定めたものである。すなわち、同号は、個人のプライバシーについては、その具体的内容や範囲が人それぞれによって異なり、類型化することが困難であることから、個人のプライバシーを最大限に保護するため、同号アないしウの除外事由に当たらない限り、個人に関する情報であって、特定の個人が識別され又は識別され得る情報であれば原則として非開示とし、その一方で、同号アないしウの除外規定を置いて、例外として個人のプライバシーを侵害しないことが明確な情報や、開示することについて公益上の理由のある特定の情報については、開示しなければならないことを定めたものである(乙一)。
また、本件条例が、静岡県民の公文書の開示を求める権利を十分に尊重すること及び個人に関する情報がみだりに公にされることのないように最大限の配慮をすべきことを求めていること(本件条例三条)並びに本件条例が、右のように個人識別情報を開示対象から除いた趣旨を考慮すれば、公務員の公務遂行にかかる情報は、通常個人のプライバシーに関するものではなく、これを侵害しないことが明確であり、かつ、その判断も容易である上、公務遂行の透明性を確保するという意味において、開示することについて公益上の理由のある情報であると解されるから、それが公務員個人の私的な預金口座の内容や自宅の電話番号等のような純然たる私事にわたるものであることが明らかなものは除き、これを『個人に関する情報』に当たらないと解し、開示するのが相当である。
(2) 被控訴人は、『個人に関する情報』とは、性質上公開に親しまない私生活上の情報を意味すると解すべきである旨主張するが、本件条例は、右(1) のような趣旨で、個人のプライバシーに関する情報に限らず、『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報を開示対象から除いたというべきであるから、この点での被控訴人の主張は採用することができない。
また、控訴人は、『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報である限り、公務員等の個人情報も含まれる旨主張するが、本件条例の制定過程において、公務員等の個人情報をどのように扱うかが十分議論された形跡はないのであって(静岡県弁護士会の昭和六三年一二月二日付け意見書〔乙六〕には、これに触れた部分が存するが、本件条例制定日が平成元年三月二九日であることからすれば、右意見書に記載された意見を斟酌して本件条例が制定されたと認めることはできない。)、公務員等の個人情報については、本件条例の立法趣旨、各条文の文意等を考慮して、開示すべきものとされているか否かを解釈すべきであるというべきところ、前記(1) のとおり、公務員等の個人情報は、純然たる私事にわたるものであることが明らかなものを除き、『個人に関する情報』に当たらないと解するのが相当である。
(3) したがって、本件条例九条二号に規定する『個人に関する情報』とは、例示すれば、思想、信仰、心身の状況、病歴、学歴、職歴、資格、成績、親族関係、所得、財産状況等をいうものと解され、また、同号に規定する『特定の個人が識別され、又は識別され得る』とは、住所、氏名のように特定の個人が直接識別できるような情報及び他の情報と組み合わせることにより特定の個人が識別され得る情報をいうものと解するのが相当である(乙一)。
そこで、右のような観点から、議会文書が『個人に関する情報』に該当するか否かについて判断する。
イ 旅費について
『支出票(兼支出負担行為)』、『旅費支出額(概算払代理受領)』及び『旅費請求書』の各記載事項は、前記第二、一3(一)(1) アないしウのとおりであるところ、右各記載事項のうち、『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報としては、公務員である静岡県議会事務局総務課事務担当者等の氏名、押印等があるのみであり、これらはいずれも旅費の支出等に係る公務遂行の過程で記録された情報であり、かつ、純然たる私事にわたるものであることが明らかであるとは認められないから、『個人に関する情報』に当たるとはいえず、結局、右支出票等に『個人に関する情報』が記載されていると解することはできない。
ロ 食糧費について
『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』及び『請求書』の各記載事項は、前記第二、一3(一)(2) アないしウのとおりであるところ、右各記載事項のうち、『債主』欄の個人である契約の相手方の住所、氏名、振込先銀行名、同支店名、預金口座の種別、口座番号は、『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報に該当すると解される。しかし、その余の記載事項については、これが『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報に当たると解することはできない。
ハ 使用料及び賃借料について
『支出票』、『支出票内訳書』及び『請求書』の各記載事項は、前記第二、一3(一)(3) アないしウのとおりであるところ、右各記載事項のうち、『債主』欄の個人である契約の相手方の住所、氏名、振込先銀行名、同支店名、預金口座の種別、口座番号は、『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報に該当すると解される。しかし、その余の記載事項については、これが『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報に当たると解することはできない。
(4) 本件条例九条二号は、『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報であっても、アないしウの除外事由に当たる場合には、右情報を開示すべきである旨定めているが、『債主』欄の個人である契約の相手方の住所、氏名、振込先銀行名、同支店名、預金口座の種別、口座番号が右アないしウの除外事由に当たるとは解されない。
(5) 控訴人は、議会文書が本件条例九条二号に該当するとして、議会文書を非開示としたが(甲三、乙一五)、以上のとおり、食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』及び『請求書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』、『支出票内訳書』及び『請求書』の各記載事項のうち、『債主』欄の個人である契約の相手方の住所、氏名、振込先銀行名、同支店名、預金口座の種別、口座番号は、『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報に該当し、非開示とすべきであるが、その余は開示すべきである。」
8 原判決七〇頁九行目から同一〇行目にかけての「契約の相手方である債主(飲食店等)」を「『債主』欄に、契約の相手方」に訂正する。
9 原判決七二頁九行目冒頭から同一一行目末尾までを次のように訂正する。
「 また、本件条例九条三号は、本文に該当する情報であっても、アないしウの除外事由に当たる場合には、右情報を開示すべきである旨定めているが、右預金口座情報が右アないしウの除外事由に当たるとは解されない。
(四)以上によれば、議会文書に関する本件処分のうち、本件条例九条二号により、食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』及び『請求書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』、『支出票内訳書』及び『請求書』の各記載事項のうち、『債主』欄の個人である契約の相手方の住所、氏名及び預金口座情報(振込先銀行名、同支店名、預金口座の種別、口座番号)を非開示とした部分、同条三号により、食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』及び『請求書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』、『支出票内訳書』及び『請求書』の各記載事項のうち、『債主』欄の契約の相手方の預金口座情報を非開示とした部分は、適法であるが、その余を非開示とした部分は違法である。」
10 原判決七六頁一〇行目の「最高指揮官」を「最高責任者」に訂正する。
11 原判決七八頁六行目冒頭から同八二頁五行目末尾までを次のように訂正する。
「 しかし、警察文書には、前記第二、一3(二)(1) ないし(3) の記載の事実に加えて、<1>旅費に関する『支出票(兼支出負担行為)』及び『支出票(兼支出負担行為)内訳書』の『債主』欄に、旅費代理受領者の郵便番号、債権者コード、住所、所属名、支払形態及び預金口座情報が記録され、<2>食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』の『債主』欄に、契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、銀行口座情報が、食糧費、使用料及び賃借料に関する『請求書』の『債主』欄に、請求者の住所、事業所名、代表者氏名、会社印(法人印)、代表者印が、『支払区分欄』に預金口座情報が記録されているところ(弁論の全趣旨)、静岡県警察本部警務部総務課の分掌事務には、『公印の管守に関すること』、『公安委員会の庶務に関すること』、『秘書事務に関すること』、『公文書の収受及び発送に関すること』、『公文書の浄書及び印刷に関すること』など犯罪捜査等と直接の関わりが薄い事務が多数含まれていることからすれば、静岡県警察本部警務部総務課が作成した支出票、請求書等の警察文書に記載された前記の情報が、すべて『犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報』に該当し、非開示とされなければならないと解することはできないのであって、個々の文書ごとに『犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報』が記載されているか否かを判断することが必要である。しかるに、控訴人は、一般論として、警察職員の特定に関する情報及び支払の相手方の特定に関する情報が公開されると、結果的に、警察職員やその家族のプライバシーが侵害されたり、工作襲撃等の被害を受ける可能性があり、さらに、警察文書の『時期情報』、『金額情報』、『執行場所情報』が明らかになった場合には、犯罪を企図する者などにより、警察組織・職員に対する攻撃、妨害、牽制等が行われるおそれが存する旨主張するのみで、個々の文書ごとに、具体的に『犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報』が記載されているとの主張立証をしない。なお、控訴人は、警察職員の氏名が特定されたことなどにより、現実に嫌がらせを受けた事実がある等の証拠(乙三〇)を提出するが、これらは、殆どが静岡県警察本部警務部総務課における担任事務に係わるものではなく、また、主として、具体的捜査活動に関して、電話帳などによって警察職員の氏名等が特定されたことにより当該職員が嫌がらせ等を受けたというものである上、一定の範囲に限ってではあるが、警察職員の氏名等が、職員録や新聞の人事異動記事に掲載されるなどして広く開示されていること(甲一一、五四、五五)をも考慮すると、右乙第三〇号証をもって、公文書の開示を請求する県民等に警察文書を開示することにより『犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずる』と認めることはできない。
したがって、警察文書すべてについて、本件条例九条四号に該当する情報が記録されていると認めることはできない。
(3) なお、前記のとおり、警察文書には、食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』の『債主』欄に、契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、銀行口座情報が、食糧費、使用料及び賃借料に関する『請求書』の『債主』欄に、請求者の住所、事業所名、代表者氏名、会社印(法人印)、代表者印が、『支払区分欄』に預金口座情報がそれぞれ記録されているところ、これらの情報が開示されれば、警察あるいは当該契約の相手方に対し反感等を持つ者が、当該契約の相手方に対し、嫌がらせをし又は危害を加えるなどするおそれがあると認められるから、右情報は、『開示することにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査、その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報』に該当すると解される。
(4) 以上によれば、警察文書のうち、<1>食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』の『債主』欄の、契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、銀行口座情報、<2>食糧費、使用料及び賃借料に関する『請求書』の『債主』欄の請求者の住所、事業所名、代表者氏名、会社印(法人印)、代表者印、『支払区分欄』の預金口座情報は、本件条例九条四号に該当するから非開示とすべきであるが、その余は開示すべきである。」
12 原判決八二頁八行目の「警察文書に」を「公安委員会」に訂正し、同一一行目の「実施機関とされていない」の次に「ところ、警察文書にはそのような」を加える。
13 原判決八三頁一行目の「警察文書を」を削除し、同九行目の「議会文書」から同八四頁二行目の「目的等に照らすと」までを「前記二2(一)と同様の理由により」に訂正する。
14 原判決八六頁五行目冒頭から同七行目末尾までを「ところで、前記のとおり、本件条例九条二号は、同号アないしウの除外事由に当たらない限り、個人に関する情報であって、特定の個人が識別され又は識別され得る情報であれば原則として非開示とし、また、公務員の公務遂行にかかる情報は、それが公務員個人の私的な預金口座の内容や自宅の電話番号等のような純然たる私事にわたるものであることが明らかなものは除き、これを『個人に関する情報』に当たらず、開示すべきであるとしていると解される。
そして、警察文書には、<1>旅費に関する『支出票(兼支出負担行為)』及び『支出票(兼支出負担行為)内訳書』の『債主』欄に、旅費代理受領者の郵便番号、債権者コード、住所、所属名、支払形態及び預金口座情報が、また、<2>食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』の『債主』欄に、契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、銀行口座情報が、<3>食糧費、使用料及び賃借料に関する『請求書』の『債主』欄に、請求者の住所、事業所名、代表者氏名、会社印(法人印)、代表者印、『支払区分欄』の預金口座情報がそれぞれ記録されているところ、右<1>は、公務員の公務遂行に係わるものであるが、所属名は別として、旅費代理受領者個人の郵便番号、債権者コード、住所、支払形態及び預金口座情報は純然たる私事にわたるものであることが明らかであるから、非開示とすべきものであり、右<2>、<3>のうち、<3>の事業所名、代表者氏名、会社印(法人印)、代表者印を除く、郵便番号、債権者コード、住所、氏名、支払形態、銀行口座情報は、相手方が個人の場合、それ自身又は他の情報と組み合わせることにより特定の個人を識別することができると認められるから、『特定の個人が識別され、又は識別され得る』情報に当たり、非開示とすべきものであることが明らかである。」に訂正する。
15 原判決八六頁九行目の「(1) 」を削除し、同一一行目の「債主(飲食店等)の」の次に「郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、」を加える。
16 原判決八七頁九行目冒頭から同八九頁五行目末尾までを次のように訂正する。
「 (五) 以上によれば、警察文書に関する本件処分のうち、
(1) 本件条例九条二号により、
イ 旅費に関する『支出票(兼支出負担行為)』及び『支出票(兼支出負担行為)内訳書』の『債主』欄の旅費代理受領者の郵便番号、債権者コード、住所、支払形態及び預金口座情報、
ロ 食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』の『債主』欄の個人である契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、銀行口座情報、
ハ 食糧費、使用料及び賃借料に関する『請求書』の『債主』欄の個人である請求者の住所、『支払区分欄』の個人についての預金口座情報(振込先銀行名、同支店名、預金口座の種別、口座番号)を非開示とした部分、
(2) 同条三号により、食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』及び『請求書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』及び『請求書』の各記載事項のうち、『債主』欄の契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態及び預金口座情報を非開示とした部分、
(3) 同条四号により、
イ 食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』の『債主』欄の、契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、銀行口座情報、
ロ 食糧費、使用料及び賃借料に関する『請求書』の『債主』欄の請求者の住所、事業所名、代表者氏名、会社印(法人印)、代表者印、『支払区分欄』の預金口座情報
を非開示とした部分、
については、適法であるが、その余を非開示とした部分は違法である。
三 よって、被控訴人の請求は、
1 議会文書に関する本件処分のうち、
(一) 本件条例九条二号により、食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』及び『請求書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』、『支出票内訳書』及び『請求書』の各記載事項のうち、『債主』欄の個人である契約の相手方の住所、氏名及び預金口座情報(振込先銀行名、同支店名、預金口座の種別、口座番号)を非開示とした部分、
(二) 同条三号により、食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』及び『請求書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』、『支出票内訳書』及び『請求書』の各記載事項のうち、『債主』欄の契約の相手方の預金口座情報を非開示とした部分、
2 警察文書に関する本件処分のうち、
(一) 本件条例九条二号により、
(1) 旅費に関する『支出票(兼支出負担行為)』及び『支出票(兼支出負担行為)内訳書』の『債主』欄の旅費代理受領者の郵便番号、債権者コード、住所、支払形態及び預金口座情報、
(2) 食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』の『債主』欄の個人である契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、銀行口座情報、
(3) 食糧費、使用料及び賃借料に関する『請求書』の『債主』欄の個人である請求者の住所、『支払区分欄』の個人についての預金口座情報(振込先銀行名、同支店名、預金口座の種別、口座番号)を非開示とした部分、
(二) 同条三号により、食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』及び『請求書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』及び『請求書』の各記載事項のうち、『債主』欄の契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態及び預金口座情報を非開示とした部分、
(三) 同条四号により、
(1) 食糧費に関する『支出票(兼支出負担行為)』、『支出票(兼支出負担行為)内訳書』並びに使用料及び賃借料に関する『支出票』の『債主』欄の、契約の相手方の郵便番号、債権者コード、住所、氏名(事業所名)、支払形態、銀行口座情報、
(2) 食糧費、使用料及び賃借料に関する『請求書』の『債主』欄の請求者の住所、事業所名、代表者氏名、会社印(法人印)、代表者印、『支払区分欄』の預金口座情報
を非開示とした部分
については、いずれも適法であるが、その余を非開示とした部分は違法である。」
二 よって、右と結論を異にする原判決は一部不当であるから、右のとおり変更することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法六七条二項、六一条、六四条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 塩崎勤 裁判官 小林正 裁判官 萩原秀紀)
別紙 文書目録<省略>
別紙 非公開情報目録<省略>
別紙<省略>